私は、長い間不妊治療をしていました。
なかなか妊娠に至らず、辛い日々を送っていたのですが、ある時、奇跡が起きました。
ついに私のお腹の中に、赤ちゃんが来てくれたのです。
もう嬉しくて嬉しくて、妊娠がわかったときは病院で泣いてしまいました。
それからは、お腹の赤ちゃんが愛おしくて愛おしくて、たまりませんでした。
もらったエコー写真などは本当に宝物で、いつも病院から帰った後は、丁寧にアルバムに綴じていました。
待ちにまった私の赤ちゃん。
赤ちゃんは、男の子でした。出産では注射を何本も打ち、何時間の格闘の末、やっと産まれてきてくれました。
初めて顔を見たときは、「無事に産まれてきてくれてありがとう」の気持ちでいっぱいでした。モゾモゾと動くしぐさが、ああこれがお腹の中の動きと一緒だったんだねと微笑ましくなりました。
産まれた時の感動を、産まれた時のいのちの重みを、ずっと私の中で覚えていたいと思い、産後すぐに体重ベアを作りたいと思うようになりました。
体重ベアは、ママ向けの雑誌で掲載されていたので知っていました。
赤ちゃんを産んですぐに私の腕の中に来てくれた時、ずしっと重くて、でもとても小さくて、一生に一度だけのあの時の気持ちを、体重ベアに授けたいと思いました。
そして、我が家に待望の体重ベアが届きました。とても愛らしい表情で、私は一目で気に入ってしまいました。
体重ベアをお願いして良かったと心から思いました。
今では、三歳になった息子ですが、体重ベアを抱っこできるまでに成長しました。私も、現在は子育ての忙しさに追われる日々ですが、体重ベアを見るたびに、あの時の一生に一度の気持ちを思いだし、息子を一層愛おしく感じてしまいます。