私達は結婚式の中で花嫁から両親に感謝の手紙を読むというよくある演出は、やはり欠かせないだろうと思っていました。
手紙を書くということは思い浮かんだのですが、それと一緒に送るプレゼントについて頭を悩ませていました。
花束は贈ることを決めていて、それと一緒に何か記念になるプレゼントを渡したいと思ったのです。
記念になる物ということで色々とネットを調べていて、夫婦ともに良いなと思ったのが体重ベアでした。
私の両親には私が産まれた当時の体重のベアを、夫の両親には夫の産まれた時の体重ベアを用意して、それぞれにプレゼントしようと思いました。
ネットで色々と調べていて予算10,000円程度と思っていたので、両方に渡すベアを用意して20,000円程度はかかりました。
ちょっと式場から持って帰るのが大変かなとも思いましたが、喜んでくれるのではないかと思いました。
私も夫も3㎏を超えた赤ちゃんだったのですが、こんなに軽い赤ちゃんが大人になり、そこまで育ててくれた両親は大変だっただろうなという気持ちになりました。
私も夫も実家暮らしをしていて、結婚式をすることが一つの区切りとして実家を離れ二人の生活を始めることに決めていました。
結婚式では実家でお世話になったお礼をしっかりと伝え、これから夫婦で頑張るという決意を伝えようと思っていました。
それを手紙、花束、体重ベアに込めました。
結婚式当日にはとても緊張していた私達でしたが、この結婚式に集まってくれているみんなのおかげでこの日を迎えることができた、この人たちは私達の大事な人だという気持ちがして、それぞれの人との想い出に心を寄せました。
特に両親に対しては結婚式を迎えて娘を送り出すことに対して、緊張感も漂いながらどこかほっとしている親の顔をしていました。
そんな両親に対してしっかりと感謝の気持ちを伝える場所にしたいという気持ちになりました。
後から話をすると、夫も同じような気持ちだったようです。
結婚式は和やかな雰囲気の中で進行していき、徐々に私が手紙を読んで贈り物をする場面になりました。披露宴の最後の方の演出だったのですが、両親が4人横に並んで、私は自分の両親に向けた手紙を読みました。
こんなに大勢の前で手紙を読むのは初めてでしたが、絶対に泣かない、絶対に泣かずに伝えようと思っていました。
そして手紙を読んで両親の側に近づくと、涙をこらえたような母親の姿がありました。
今にも泣きだしそうだけれども我慢している母親の姿に私の方が感動してしまい、その場で自然と涙が出てきました。
そしてその時に花束と体重ベアを渡しました。
私は自分の両親と話をしたのですが「二人でしっかりと家庭を作ってね。こんなに赤ちゃんの時は小さかったのね。」という風に感動していました。
今体重ベアは私の実家の部屋に大事に飾られています。贈った時の袋に入れたままで置いていて、汚れないようにと大事にしてくれているんだなということを
思いました。自分の赤ちゃんがそれから1年ぐらいでできたのですが、赤ちゃんが誕生した後にそっと体重ベアを抱いてみると、同じぐらいの重さだなと思いました。
ただ赤ちゃんを授かってそれを守って育てていく母親の役割はとても大きいものだと思いましたし、改めて子育てを通して両親には感謝の気持ちを募らせています。
娘が結婚する時に体重ベアをプレゼントされたら、私は感動して泣きだしてしまうかもしれません。
そう思うと、結婚式の時に体重ベアをプレゼントできて良かったなという風に思います。