友人の結婚式で見てからずっと憧れていたので、自分の結婚式には両親に花束と体重ベアを贈りたいと思っていました。いざ結婚が決まってプランナーさんにその話をしたらノリノリで、ぜひやりましょうと言ってくださったのでちょっと渋っていた夫を説得して体重ベアを作ることにしました。
私は母が作ってくれたアルバムに出生時の体重が書いてあったのでそのまま注文しましたが、夫は自分の出生時の体重なんて知らないというので義母さんに聞いてみることになりました。義母さんから聞いた夫の出生時の体重は、なんと4000グラムを超えていました。義母さんは小柄だし、夫は背は高いものの痩せ形なのでちょっと意外で驚きました。そして4000グラムを超えると追加料金がかかると聞いて夫は苦笑いでした。
出生時3000グラム台なのに今はぽっちゃりな私と、出生時4000グラム台なのに今は痩せてる夫の体重ベアをうっかり逆に注文しかけたりとちょっとしたハプニングはありましたが、無事にベアは出来上がってきました。実物を初めて抱っこしたときはずっしりと重くて、初めて自分たちを抱いた母や義母はどんな気持ちだったのかなと想像してしんみりした気分になりました。
そして迎えた結婚式当日、花嫁の手紙のあとに花束と一緒に体重ベアはそれぞれの両親に贈られました。母も義母もハンカチで目元を抑えながらベアをしっかりと抱きしめていて、自己満足だとは思うけど贈って良かったなと思いました。
式からしばらくして夫の実家に遊びに行くと、リビングに体重ベアが飾ってありました。「夫さんって生まれたときは大きかったんですね。おかあさん大変だったでしょう?」と私がたずねると、義母さんは「本当に難産で大変だったわ」と笑っていました。夫がぼそりと「そりゃ悪かったな。でもまあ、お疲れさま」と言うので「30年も経ってお疲れさまって。しかも本人に言われるなんて」と義母さんはまた笑っていました。でもなんだか私はちょっとじんわりとして、ああこの人と結婚して良かったなと思いました。